社会福祉法人麦の子会 むぎのこ

お母さんの学習会から 2

人間同士の交流によって磨かれ、あるいは受け継がれて発達する能力

ことばの能力、コミュニケーシヨンの能力

人間の能力は大部分が人とのかかわりによってできるものです。そのかかわりが、知能となり言葉につながっていきます。まず情報交換が大切です。これは子どもと一緒に泣いたり笑ったりすることであり、そこに意志の疎通がおこります。

言葉の遅れはむぎの子に通っているほとんどの子どもに共通しているものですが、ただ口が遅いだけの子であれば自分の欲しい物があれば 「オーッ」と声を出したり、親と大人に見振り、手振りで「あれが欲しいから取って」という表現をするが、コミュニケーションが遅れている子どもは、それを表現することすらしないのです。言葉のコミュニケーションは心理的な交流によっておこります。「心理的な交流とは」親と一緒にころげ合って笑い合っている時など、「強い情動が共有し合った時」に起こります。一緒に遊んで楽しくて母親が子どもを強く抱きしめた時、また子どもと親が同じ楽しさを味わった時などにおこります。 ビデオをみせっぱなしにしたり、一人で遊んでいるのを放置しておくとその時には心の交流がないわけですからそのような状態が一日の大半つづくと心の交流の量が不足します。また遊んであげていてもお互いに心から笑い合ったりする遊びがなく、形だけのつき合いをしている場合も同じです。こういう事は,普通の家族生活の中でもあることで、例えばお母さんが家族の為に一生懸命に料理をしていて「~と、~とどっちを飲むの?」と聞いているのに「どっちでもいい」と答えるような、形だけのつき合いではこちらが感じている気持ちを、相手が感じ、解かろうとする心、深いところで通じ合っているという実感がないのです。だから、例えばびんのふたを開けて欲しい様子で自分の所にきたりする時にも、なぜお父さんや他の人がいる中で母親である自分のところへ来たのかまで、考えて対応してあげることが大切なのです。ここまでコミュニケーシヨンの相手としての親としてどうするかを言いました。子ども側のことについても、お話します。

目線を合わせないで、親の手を引いて冷蔵庫の前まで連れてきてあけて欲しいという動作をするようなことがありますが、これを手引き行動と言い ます。このような行動をする時の子どもの心は、まだ自信はない状態といえます。自分の気持ちを直接伝達したいが、相手に対してまともにコミュニケーションをとる自信がなく、相手にやってほしい気持ちと自信がなく「どうしよう・・・」と思う気持ちの半々のかんじの表れでそれは、言葉にも出ることがあります。 相手に向かってきちんと言うのではなく独り言のような、何かを欲求しているような言葉がありこれは自閉症の特性ですが、人間に半信半疑で自信がない状態の表れです。このようなことからコミュニケーションが成り立つためには子どもが訴えたい気持ちを持ち、親が聞きたい気持ちを持っているということだけでは不十分であり、そこには人間に対する自信が重要になってくるのです。そしてコミュニケーションを確立させるためにも人間に対する自信ははじめに言った親子のかかわりによって自信をつけていくしかないのです。これは自閉にかかわらず一般にもいえることです。

知能の発達

人間のかかわりによって発達するものは「言葉、知能、感情」の3つがあります。むぎの子では知能について話したことはなかったが一般的に子どもの発達を考えた時に知能は伸びているだろうかと気になることであり、大切なことの一つです。

知能とはどのように発達するのか

知能の発達とは、ものの見方・考え方を大人や兄・姉から受けつぐことである。 知能とはまわりの物事を考え、理解して自分に直面している問題を解決する方法を自分で見出す力のことです。

考え力・判断力・理解する力

知能はものの見方、考え方を大人や兄・姉から受けつぐ動物です。他の様々な動物についても研究されたがごく一部の類人猿(さる)に少しあるら しいということが言われ、他の動物にはないとのこと。だから、100年前のカラスより100年後のカラスのほうがかしこいということはない。一代限りで次 に生まれた時はまた1から始まるものです。ところが人間の知能の場合、物事がどんなふうに成り立っているのか、どういう意味があるのかを子どもは自分だけ の力で解かるのではなく、自分の支え手である養育者の物の見方・感じ方を受け継ぐことで理解してゆくのです。だから養育者の支えがなければ、生まれたばか りののように物事がどうなってどんな意味があるかわからない状態のままです。お母さんたちは、子どもがなかなかいろんなことの理解力が伸びなくて、どうし てだろうと不思議に感じることがあると思います。例えば鍵をもって開けるという3歳児の知恵があるのに、目の前にある食べてはいけない物(タバコなど)を スッと口に入れてしまうような1・2才の知恵が伸びていなかったり走っている車に飛び出すようなことをするのは、どうしてなのか戸迷う親もいると思いま す。これは親の物の見方から受けつぐということが確立していなくて、まだ自分の経験からしか理解ができていない状態なのです。ビデオの電源の入れ方やパズ ルを組み立てるなどは自分の経験で分かりますが、例えば走っている車が危ないのだということを実際に車にぶつかったり、ひかれて理解するということはそう ならないようにいつも親が注意して守っていますので、一生させないし、一生子どもは体験できないことですが、わかってほしい覚えてほしいです。このように 子どもは知恵を他の人間からの情報で受け継ぐしかないことなのです。ではどうすれば自分が経験できないことでもわかってもらえるようになるのか。

同じものをワクワクしながら見つめ、同じ物を不思議がっておどろいて、一緒に考え、力を合わせ解決した、ということをたっぷり体験させているだろうか?

体験の共有が不足すれば、知恵の発達は情報不足、栄養不足になる。

これらの体験が不足すると知恵の発達が足ぶみします。自閉症の60~70%がそのまま成人になると知恵遅れになってしまうが、不足したまま大 きくなったら、そうなってしまうのも仕方ないことなのです。知能の発達の促進のために子どもと一緒に同じ一つの事をみつめ、感じて「やってみよう」と一緒 に解決したり体験します。これが体験の共有であり情報の受け継ぎもできるようになっていきます。

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